呪イノ少女、鬼ノ少女

九音が鬼と対峙を始めた、その頃。

屋敷の奥の間。

普段九音が瞑想をしている広間で、澪と雛子は事が終わるのを待っていた。


「大丈夫?」


ぴったりと雛子に寄り添われた澪は、八の字に眉尻を下げて呟いた。


「雛ちゃん?」

「……何でもないです」


雛子はただ力無く首を振る。

寄り添っているというよりは、むしろ寄りかかっている。

膝を抱え、澪の肩に頭を預けて沈んだ表情を浮かべている。


「また、九音さんに何か言われたんでしょ?顔に、出てるよ」


ピクリ、体を震わせる。

分かり易い子で有り難い。


「酷い事?」

「いえ、母さんの事で少し…」


今度は、澪がかすかに体を震わせた。


「母さんは何に怒ったのかとか、不器用だとか……意味が分からない事ばかり言うんです」


雛子は、きゅっと澪の服の裾を掴んでいた。

別に澪に縋っているわけではない。

頼らない、そう決めたばかりだから。