呪イノ少女、鬼ノ少女

「…ふん、そんな事」


結局諦めた九音は、雛子から情報を聞き出して、気の抜けたように鼻を鳴らした。

裏山に面した縁側の柱に体を凭れさせ、着物の袖の内で腕を組んでいる。


「そんな事で、随分と取り乱していたようですが」

「チッ」


ここぞとばかりに反撃に出た雛子に、九音は不機嫌そうに舌を鳴らした。

弱い部分を見せた事を、それなりに気にしているのだ。

普段完璧に生きている分、たまの弱味を突っ込まれると余計に腹が立つらしい。


で、そんな弱味をあっさり晒してしまう程、九音にとって澪の存在は大きい。


「にしても……茜は、澪が父親に似てるのが、余程気に入らないのね」


…阿呆らしい。

九音は欠伸のついでに吐き捨てた。


「どういう事です?」

「言葉通りよ。こんな言い方したくないけれど、澪は悪い方に父親に似ているから」


優しい、しかし甘い。

その上、その甘さを通す芯が無い癖に妙に頑固なのだ。

茜には、それが歯痒いのだろう。

九音はそう見ている。