呪イノ少女、鬼ノ少女

部屋から漏れる明かりが、女の姿を足元からだんだんと現していく。

今まで意識が落ちていたせいか、意識がまだ揺らいでいて、その様子をぼーっと見つめていることしか出来ない。


女は裸足だった。

真っ白な襦袢を纏い、濡れたように艶のある真っ黒な髪は足元まで伸びていた。


肌は白い。

それは色が無いように思えるほど白かった。


酷く不気味だ。


力ない瞳はぞっとするほど冷たく、見つめられているだけで体から体温が抜けてしまいそうである。


女の足が縁側にかかり、ゆっくりと部屋の中に入ってくる。


「あ…っ」


澪の傍まで歩み寄ってきた女の手、喉元に触れた。

彼女の手は痛いほどに冷たいのに、何故か全身からは汗が噴出した。


―――体が、動かない。


じっとりと、額に脂汗が滲むのにそれを拭うことも出来ない。

逃げ出したいのに手も足も、ピクリとも動かせない。


状況が少しも分からない。

ただ、怖い。

怖い。

怖い。

怖い。


歪んでいた女の口がゆっくりと動く。

ゆっくりと言葉が一文字づつ紡がれていく。


「オ カ エ リ」