呪イノ少女、鬼ノ少女

「で、例のアレは?」

「えぇ」


言われて、大和は隣に置いてあった風呂敷包みを前に差し出した。

此花が取り上げ一貴の御前に差し出し、風呂敷を解く。


中に入っていたのは、石。

それも何かに断ち斬られたような後がある。


「封じの霊石の一部っす」


火群の鬼を封じていた結界を形成していた石の一つだ。

四つある全てが、これと同じように断ち切られていた。


「はっ、こりゃ見事にやられたな。どうだ、此花?」

「……間違いない、かと」


二人は何か思い当たる節があるのか、神妙な顔で切り口を見据えている。


「間違いないというのは?」

「実は、一年前天奉院家の管理する蔵に、不心得者が入ったのだ。そして、一本の刀が盗み出された。警護の者、十名全員を殺害して、な」


此花は忌々しいとばかりに、ギリと歯を鳴らした。

その怒り、大和も理解出来なくない。


宝蔵は、この邸内にあるのだ。

つまり、此花も敷地内にいたのである。

というのに、襲撃を許した上に中の物を持って行かれてしまったのだ。

任務に忠実で、何よりプライドの高い此花に、許せるはずもない。