呪イノ少女、鬼ノ少女

「こーのーはー、また悪い癖が出てるぜ。俺が許したんだよ」

「しかし!」

「いいってんだろ。あんまガチガチに凝ってっとさ、老けるの早いぜ」


食い下がる護衛に、一貴はうるさいと耳に指を突っ込んで漏らす。

そんな二人に大和は苦笑してしまうが、此花に睨まれ肩を竦めた。


「で、どうだった?」


ゴロンと横になって、一貴は聞く。

無論、火群の一件についてである。


「電話で報告した通りっすよ。封じは破られ、中身は空っぽだったっす」

「そうか。てーと、二十は溢れたか」

「えぇ。けど、妙なんスよ」


耳のピアスを指で弄びながら、大和は唸る。


「妙?」


一貴は、腕を枕にしたまま問い返す。

側の此花が、不機嫌そうに顔を顰めているのは気にも止めない。


「いないんすよ、鬼が。遭遇した鬼以外に気配がない」


取り逃がした女鬼以外、遭遇もしなければ気配の残粕すら見当たらなかった。


「喰いあったか……いや、ツルんだか」


女鬼が全てを取り込んだか、それとも二十の鬼が一つになったか。

どちらにせよ、強大な驚異には変わらない。


「そっちすね。茜さんが、中に二十も入ってるのは反則だ、って言ってましたよ」

「はっ、あの人がんな事言う程かよ。そりゃチートだな」