「じゃあ、茜さんも鬼祓なんだ」
「もう引退はしてるんですけどね。母さん、今でこそあんなですけど、昔は五本の指に入る程の鬼祓だったんで…」
「規則規則でウザったいから、辞めてやったのよー」
二人の会話を遮って、スーツに着替えた茜が、澪の脇を抜けて台所へと消えていった。
と思ったら、ジャム山盛りのトースト片手に戻ってくる。
「母さん…」
「じゃ、私は行くから。二人は九音ちゃんトコ行ってなさい」
トーストを噛りながら、モゴモゴと告げる。
「っ!?」
雛子が絶句する。
無理も無い。
昨日いざこざを起こしたばかりなのだから。
「ヤなのは分かるけどさ。アンタ一人で、アレから澪ちゃんを守れるの?」
一昨日、澪を襲った女鬼。
首に冷たい牙の感触を思い出し、気持ち悪くなって手を当ててしまう。
「癪だけどね、私もアレには敵わない。だから、アンタには無理。命令よ、九音ちゃんトコで大人しくしてなさい」
「っ……分かりました」
渋々だが、雛子は頷く。
いや、頷かなければならなかった。
今の茜の言葉は親としてではなく、九曜の当主として発せられたものだからだ。
「うむ、よろしい。じゃ私は行くわ」
満足そうに頷いて、茜はヒラヒラ手を振りながら、会合へと出発して行くのだった。
その視線を一度も澪に向ける事無く……。
*****
「もう引退はしてるんですけどね。母さん、今でこそあんなですけど、昔は五本の指に入る程の鬼祓だったんで…」
「規則規則でウザったいから、辞めてやったのよー」
二人の会話を遮って、スーツに着替えた茜が、澪の脇を抜けて台所へと消えていった。
と思ったら、ジャム山盛りのトースト片手に戻ってくる。
「母さん…」
「じゃ、私は行くから。二人は九音ちゃんトコ行ってなさい」
トーストを噛りながら、モゴモゴと告げる。
「っ!?」
雛子が絶句する。
無理も無い。
昨日いざこざを起こしたばかりなのだから。
「ヤなのは分かるけどさ。アンタ一人で、アレから澪ちゃんを守れるの?」
一昨日、澪を襲った女鬼。
首に冷たい牙の感触を思い出し、気持ち悪くなって手を当ててしまう。
「癪だけどね、私もアレには敵わない。だから、アンタには無理。命令よ、九音ちゃんトコで大人しくしてなさい」
「っ……分かりました」
渋々だが、雛子は頷く。
いや、頷かなければならなかった。
今の茜の言葉は親としてではなく、九曜の当主として発せられたものだからだ。
「うむ、よろしい。じゃ私は行くわ」
満足そうに頷いて、茜はヒラヒラ手を振りながら、会合へと出発して行くのだった。
その視線を一度も澪に向ける事無く……。
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