呪イノ少女、鬼ノ少女

「…ふぅ」


茜の部屋から離れ居間に戻ってきたところで、澪は知らず溜息を零していた。


朝から、疲れた。

怒られるとばかり思い込んでいたから、随分と緊張していたせいもあるが、それだけでは無い。

どうにも、一人で踊っていたようなそんな間抜けさを感じる。


「あの、どうでしたか?」

「あ、雛ちゃん」


台所から不安げに顔を覗かせた雛子は、居間まで入ってこないで、仕切り戸に隠れるような形で聞いてくる。

昨日の一件の事が、気まずいらしい。


その顔に学友達から受けた傷は、もう影も無かった。

本当に治っている。

こんなものを見てしまっては、雛子が人間ではないのだと実感せざるをえない。

半鬼という現実が、すぐ目の前にある。


「うーん…大丈夫、かな」

「…本当ですか?」


言葉では許しを得た。

が、どうにも暖簾に車で突っ込んだような、そんな違和感が拭えない。

本当に、茜に届いていたのだろうか?


「あ、そういえば。茜さん、どこかに行くの?」

「はい。鬼祓の会合があるんですよ」