呪イノ少女、鬼ノ少女

チリン…。


縁側の屋根から吊るされていたガラスの風鈴の音で、澪はまどろんでいた意識を戻した。


「ん…」


どうやら眠ってしまっていたらしい。

まだあの二人は夕飯の支度をしているようで、台所の方から話し声が聞こえてくる。

そう長く眠っていたわけではなかったらしい。


チリン…。

もう一度、風鈴が鳴った。


「ん?」


中庭から視線を感じた。


横になったままの体勢で、そちらに首を向けた。


―――誰かいる?


薄暗くて、よくは見えない。

だが、そこに立っている人物が余りに異質なことだけは理解できる。


「フ…」


唯一見える口元がかすかに歪む。

それからゆらりと、その「女」が一歩前へと踏み出した。