「ちょっ……え!?雛ちゃんのお母さんは、茜さんじゃ…」
目を見開いた澪に着物の袖を引っ張られながら、九音は首を振った。
澪は確認を取るように、雛子の方も見た。
しかし、やはり雛子も否定することはなく、力無く首を振っている。
「じゃあ…何で?」
茜の娘なんかをやっているのだ。
あんな、困っている時に助けもしない、堕落の極みにある母親の元で…。
何故?
「あの娘は母親に殺されかけたのよ」
「え?」
澪は絶句した。
今までとは違う意味で、あまり馴染みの無い言葉に思考が止まったのだ。
「あれは、母親の目の前で『力』を使ってしまったの」
九音は『視た』事を思い出しながら語る。
雛子は不幸だった。
『力』を使ったのは、本当にやむを得ない状況だった。
母親の為だったのだ。
しかし、元から心を病んでいた母親は、人間ではない娘の姿を受け入れる事が出来なかった。
−−−だから、
その日の夜、寝ている雛子の胸に包丁を突き立ててしまったのだ。
「そんな、そんな事って…」
「事実よ。突然襲われたあの娘は、訳も分からないまま力を暴走させ……母親を千々に引き裂いた」
胸に包丁を突き立てられ、しかし半鬼である為、致命傷には至らなかった雛子は、防衛本能で反射的に母親を肉の塊に変えてしまったのだ。
目を見開いた澪に着物の袖を引っ張られながら、九音は首を振った。
澪は確認を取るように、雛子の方も見た。
しかし、やはり雛子も否定することはなく、力無く首を振っている。
「じゃあ…何で?」
茜の娘なんかをやっているのだ。
あんな、困っている時に助けもしない、堕落の極みにある母親の元で…。
何故?
「あの娘は母親に殺されかけたのよ」
「え?」
澪は絶句した。
今までとは違う意味で、あまり馴染みの無い言葉に思考が止まったのだ。
「あれは、母親の目の前で『力』を使ってしまったの」
九音は『視た』事を思い出しながら語る。
雛子は不幸だった。
『力』を使ったのは、本当にやむを得ない状況だった。
母親の為だったのだ。
しかし、元から心を病んでいた母親は、人間ではない娘の姿を受け入れる事が出来なかった。
−−−だから、
その日の夜、寝ている雛子の胸に包丁を突き立ててしまったのだ。
「そんな、そんな事って…」
「事実よ。突然襲われたあの娘は、訳も分からないまま力を暴走させ……母親を千々に引き裂いた」
胸に包丁を突き立てられ、しかし半鬼である為、致命傷には至らなかった雛子は、防衛本能で反射的に母親を肉の塊に変えてしまったのだ。


