呪イノ少女、鬼ノ少女

「クスクス、澪は本当に優しいのね」

「そ、そうでしょうか?」


九音の言葉がむず痒くて、澪は頭の後ろを掻いた。

しかし九音には、別段澪を褒めたつもりはなかった。

むしろ、今の言葉は澪の無自覚さへの厭味のつもりだった。


…のだが、無自覚ゆえに伝わらなかったようだ。


九音は仕方ない、と目を伏せた。

下手な事を言って、澪が心を痛めてしまっては、こちらが身を引き裂かれる思いをしなければならない。

だから九音は諦めた。

澪が心を痛める位なら、他の誰かが傷付けばいいと…。


「……まぁ、いいわ。今は話を続けましょ」

「?」


九音は、言葉の意図が分からず首を傾げた澪を無視して、話を再開した。


「大雑把に言うとね、あれは母親の胎内で、母親の怨念と混じり合って生まれたのよ」


その怨念がいかなるものだったのかは、知る術はない。

だが一つ言えるのは、その怨みが雛子の魂に影響与える程に深いものだったという事。


もしかしたら、その母親自身も、すでに鬼と化していたのかもしれない。