でも、現実はドラマじゃない。
そっと奏太が離れていく。
触れたおでこの熱もひんやりとした空気で引いていく。
こんな風に、あっけなく。
私たちは終わるんだろう。
いいんだ、これで。
『素直にならないのが悪いんじゃない?』
昨日の朝に右手の甲にされたキスの感覚は、バカみたいにはっきり覚えてるし。
あれ、なんの気もなしでやったなら相当な無自覚タラシだよね。
奏太の場合は有り得るけどね。
「もしも…さ」
ん?と優しく顔を覗き込む、幼なじみ。
「私と奏太が同じ家で暮らしてなくて」
ただの、クラスメイトとか。
「幼なじみじゃなかったら」

