ダルそうに振り向き、帰ろうとする。
こっちにくる………!!
「……好きな人って、白城麻衣さん?」
え。
急に出てきた私の名前に、私も奏太もビクッと動揺した。
なんで……?
私と奏太は学校で一切関わってないのに…
「知ってるの。瀬上くん、白城さんが通るときいつも見てるじゃない。私は瀬上くんのことずっと見てたからわかるの
…好きなんでしょ?」
見てた…? 私のことを?
奏太は後ろを向いているからどんな表情をしているか分からない。
夏美が私の手をギュッと握った。
震えてる、私の手。
「しらねーよ。誰だよ、それ」
とたん、奏太が言い捨てる。
「見間違えだろ。誰だか知んねーし」
これで、いい。
これが一番いい答え。
なのに、心臓がえぐられたように息が詰まった。
………バカじゃん、私。
こんなの、「うん」って言ってほしいみたいじゃない。

