夏美が手を引いて、前を指さす。
「何……、えっ」
奏太と…女の子。
「だれ…?」
「瀬上くんとおんなじクラスの鳥羽さんだよ。でも、たしか彼氏さんいたはずだけど…」
2人は話したり目を合わせたりしないものの、一緒に奥の廊下に入っていく。
なにするんだろう…?
ドクンッと心臓が大きく動いた。
━━好きな人、いる。すっげー可愛いやつ。
反射的に足が動いていた。
「えっ、えっ、麻衣ちゃん…?追いかけるの?授業遅れちゃうよ」
「夏美は先に行ってて。私ちょっと遅れるかも……」
2人は廊下のつきあたりまでくると立ち止まった。
「……こんなところまで連れてきて、何?
授業に遅れると困るんだけど」
「ごめんね…っ。でもどうしても瀬上くんに言いたいことあって」
小柄で愛くるしいような顔をした子。
奏太と並んでいると、まるで……
恋人、みたい。

