駅にはすでに奏太が待っていて、私たちは電車に乗り込んだ。


今までは、私は美琴や夏美と遊びに行ったり奏太も部活の助っ人として顔を出していたから一緒に帰ることはなかなか無かった。


どうしてだろう、急に。




……あっ。


もしかして、家に誰もいないから?


私が寂しがり屋なのはみんなが知っている。


ひとりだと不安になって、怖くなって、たまらないんだ。


私がひとりにならないようにしてくれてるのかな。


「奏太って優しいよね。クールキャラで売ってるのにね」


家に帰って言ってみた。


奏太はきょとんとした後、フッと笑って、


「麻衣のことは大事だからさ」