「はっ、えっ!?ふたりっきり!!??」


放課後、私と美琴と夏美は最近話題のおしゃカフェでタピオカを飲んでいた。


このいちごミルクタピオカ、めっちゃおいしい…。


「そんっな美味しい展開になってたなんて…!」


何言ってんの、美琴。


おいしいのは展開じゃなくてタピオカでしょ。


「……で?」

「で?」


昨日からふたりでお留守番なんだー、と話したら興味しんしんで身を乗り出してくる美琴。


夏美もしっかり聞いている。


「なんかあったんじゃないの、ふたりで」

「ないよー。いつもどーり」


私、ドジやらかしてないし。


ケンカもしてないし。


平和だよ。


「うそだ!絶対あったでしょ!

いつもとカレが違って見えたり…。

あれ?なんかめちゃドキドキしてない?

もしかして…この気持ち……きゃー!

とかないの?あるでしょ!」


…ちょっとなに言ってるのかわからない。


「み、美琴ちゃん…。たぶん麻衣ちゃん、理解できてないよ……」


美琴は抹茶タピオカをズボッと飲みほし、まるで酔っ払ったおばさんのようにダンッ!と机に置いた。


「いーい!?もっと麻衣は自覚をもつのよ!今いちばん近くにいて、今いちばん大切な人は誰か!」

「……え、えぇえ〜?」


そんなの、奏太に美琴に夏美にお母さん、お父さん、…


「麻衣ちゃん、多分ちがうこと考えてる…」


美琴と夏美は2人でため息をつく。