って追い払われて、結局映画が終わるまでしゃべってくれず。


エンディングが始まると同時にまたくっついた。


「……なんか今日、クールじゃなくてデレじゃん」


麻衣が俺に寄りかかってきた。


「…俺、別にクールキャラじゃないけど」

「奏太は学校で塩対応なんじゃない…?
誰かと話す?」


まあ、悠介とか。


「女子は?」


…ないかも。


「それだ!女子ともっと喋ったらクールって言われないし、彼女もできるんじゃ…?」

「俺は麻衣だけでいいし」

「…もー。好きな人いるんでしょ?私じゃなくてその子に言いなよ」


だから言ってんじゃん。


鈍感にもほどがあるって。


「じゃあ麻衣は…」


言いかけると、トスッ…と麻衣の頭が膝にのる。


「……っおい…っ」


なにを……、と下を見ると寝息をたててスヤスヤと寝ている彼女。


…はぁー。


こんなときに寝るとか。


正直、もうちょい警戒心もってくれてもな。


頬をそっとなでると、唇がモゾモゾと動いた。


……あー、だめ。


俺は、思わず目をつむった。


━━━━━━━━━━

━━━━━―――