幼なじみと、恋のお話




こんな大勢の前で。




全校生徒が、先生までもが聞いている。





恥ずかしいけどそれ以上にうれしくて。



「ほら、麻衣ちゃん」


「いってきな」


2人に見送られて、私は差し出された奏太の手をめがけてかけだした。






ふと、まだ小学生の頃のことを思い出す。


私とお母さんとお父さんとおばあちゃんで旅行に行った日。


そのときは毎日毎日奏太と一緒にいたから少しでも離れるのが寂しくて。

旅行はほんの数日の短い間だったけど帰ってきてからすぐに奏太に飛びついたんだ。


そのときは兄妹のような感覚だったけど今は違う。




走って、走って。


たどり着いた私はぎゅっと奏太に抱きついた。


本日何度目か分からない歓声。


「………ありがと」