お弁当をまとめてカップを手に持ち、校舎へ入ろうとすると。
「1年5組、瀬上奏太くん!!」
聞き覚えのありすぎる名前が大音量で聞こえて思わず足を止めた。
奏太……?
学校屈指の人気のイケメンにどっと湧く人たち。
「麻衣、」
ステージに背を向けて固まったままの私の手を美琴と夏美が少し驚いたような顔で握る。
ドクドクと体に流れる嫌な気持ち。
「おい瀬上、ステージ上がれよー!」
声のする方を見ると奏太が男子たちに押されて半ば強制的にステージの方に向かっていた。
嫌だ、嫌だ。
見たくない。
それもこんな大勢の前で。
「入学したとき一目惚れで好きになりました。私と付き合ってください!!」

