「なーくんって、あだ名までつけてたよ」

「ふふ。可愛いあだ名ね」


笑い事じゃないよ。

おかげで、智也に全然構ってもらえないんだから!


「ヤキモチやかないの」

「別に…」

「美弥も、いい加減弟離れしないと!」

「うーん、無理かな」


無理無理。

弟離れなんて、考えられません。


「まぁ、いつかは智也から離れる日がくるかもね」

「そんなこと言わないでよ!」

「はいはい。夜ご飯食べてく?」

「あー…いや、もう帰るよ」


気づいたら、もう夕方だった。

さすがに2人ともそろそろ帰ってくるだろうし。


「そう?じゃあ、気をつけてね」

「はーい」


私は実家を後にして、帰路に着いた。