週明け 私は 宇佐美さんに ランチに誘われた。

「星野さん。この間は 無理にゴメンね。」

「いいえ。楽しかったから。大丈夫です。」


「ねぇ…星野さんって 野本さんと 知り合いだったの?」


やっぱり 宇佐美さんは 勘付いていた。


「実は… 元カレです。」

一瞬 躊躇したけど 私は 正直に言った。

「えーっ!そうだったの?ごめーん…?」


宇佐美さんは 驚いた後で 

すごく 気まずそうな顔をした。


「大丈夫ですよ。気にしないで下さい。」

「でも… そんな偶然って あるんだねぇ…」

「はい…まさか あそこで 会うなんて。」


「いつ頃 付き合ってたの?」

「大学生の時です。4年になってすぐに 別れたから。昔のことです…会って 驚いたけど それだけだから。全然 平気です。」


私の 強がりに 宇佐美さんは 気付いている。


タケルを見た時 私の表情は 凍り付いた。

宇佐美さんは それを 見ていたから。


「でもさ…そんな偶然って ちょっと運命的だよね?」


悪戯っぽい笑顔で 私を見る 宇佐美さん。


「止めて下さい…私の中では 終わったことだから。」

「うん…ごめん。でも ちょっと ドラマチックで。憧れちゃうなぁ…」

「もう。他人事だと 思ってるでしょう?」


私は 宇佐美さんの言葉に 苦笑してしまう。


確かに ドラマチックだよなぁ…

まさか あんな風に 再会するなんて。