バタンッ!!

大きな音と共に勢いよく玄関のドアが閉まった。

それと同時に。

肩で息をする娘が真っ青な顔をしながら立ち尽くしていた。

「香乃香乃(かの)!?どうしたの?」

尋常じゃない娘の姿に驚いた。

「ねえ…ここ」

ポツリとつぶやく声が上手く聞き取れない。

「なに?」
「ここ…事故物件?」

私を見る目が震えているかのよう。

「そんなことは無いけど…何があったの?」

まさか。