「簡単に説明すると…女心は女がくすぐるもの」

心理学の博士課程までは取れなかったけど。

それなりに勉強していたから。

人間という生き物が知りたくて。

脳科学や行動学も勉強した。

なので、簡単な交渉術を使っただけ。

そんなこと言ってもホストくんには関係ないから。

適当にごまかした。

「マジありがとう。」

半泣きしそうになりながらスキップでも踏むかのように立ち去ってくれた。

やっと変な隣人から解放された安心感と。

今日は忙しくて何も食べてなくて。

ギュルルル…

娘と2人。

お腹が鳴る音がハーモニーを奏でた。

「さっ、ご飯食べよう。」
「うん!!」

やっと玄関のドアを閉められたのはつかの間だった。