「え?宇崎さんだよね?」



「あ、うん。宇崎若菜ですよ?」



暑さにやられて幻覚でも見えたのかと思ったけど、どうやら本物だったらしい。



まさかこんなところで宇崎さんに会うとは思っていなかったから、正直かなり動揺している。



・・・これはかなり嬉しい。



宇崎さんもびっくりしたみたいだったけど、直ぐにレジ打ちを始めた。



「立川くんは何でここに?」



ピッと商品をスキャンしながら、不意にそう聞いてきた宇崎さん。



「すぐそこの公園で寝てた。いつも行ってるカフェ、出禁になったんだよね。」



「出禁?!逆に何したら出禁になれるの・・・。」



驚いたように目を見開く宇崎さん。

えへへ・・・と笑って誤魔化すと、そういえば、と宇崎さんが声をあげた。



「立川くん、夏休みの予定ってある?」



「え?特に決めてないけど。」



え、これってもしかして・・・。