『今日もツギハギパークにご来場頂き、
誠にありがとうございました。
悲しみはパークで大切にお預かりします、
幸せは大切にお持ち帰りください。』

ゲートを通り、遊園地を出たあたし達。

どぎまぎしたまま、手を繋いでいる。

気を抜いたら顔がにやけてしまう…!

携帯で交通情報を確認して駅まで歩く。

まだ少し夢見心地な気分…。

「ん?」

駅が見え、異常な人だかりに気がつく。

ホームが人で埋め尽くされている…。

微かにアナウンスが聞こえた。

「…原因不明の列車火災だって」

運転見合せでいつ再開するか未定、

バスやタクシーも長蛇の列…。

「何故今日に限って…。」

蛍は携帯を見てわなわなと震える。

うーん…今日中に帰れるかなぁ…。

「近くのビジネスホテルに泊まって、
明日の朝帰る方が賢い選択かもな…。」

「…うん!少し歩いてみよっ!!」

実は少し嬉しかった…まだ蛍と一緒に、

いられるから。ずるいね…あたし。

『申し訳ありません、既に満室で…。』

エントランスの女性が頭を下げる。

「ここもか…。」

運転見合わせの影響で満室が多発。

二人は頭を抱えた…。