入学してからおよそ1ヶ月が経過した。

結局私の髪色についてあれ以上の言及は

されない。相変わらず問題児扱いだけど。

授業は眠いし…やっぱり進学校とか、

やめとけばよかったわぁ。

「じゃあ、この問題…月乃!!」

入学式の日は気づかなかったんだけど、

なんとあのチビゴリラ先生英語担当なの!

やばくない?ネタかと思った。

「わかんなーい。」

先生は案外真面目で几帳面な人。

黒板の端から端を綺麗に消すタイプ。

「じゃあ、to+動詞の原形は?」

「不定詞~」

先生は月乃お前絶対答え分かるだろ!

なんてボヤくけれど知らんがな。

だってあたしは生粋のおバカですもん♡

『また馬鹿を晒してるわ。』

『本当に恥ずかしい人ね。』

入学式の一件から陰口は絶えない。

ま、実害はないし痛くも痒くもないが。

"また"馬鹿を晒してるって言葉は、

案外胸にくるものがある…とほほ…。

「勉強をすることは大切だ…でしょ」

「正解、あとは敬語を使えば完璧だ。」

先生は黒板に答えを書きながら、

豪快に笑っていた…。はんっ、嫌だね!!

あたしゃ不完全な位が丁度いいのさ!!