「はぁー、本当に苦手なんだな。」

「そうだって言ってるじゃん!」

そんな話をしていると人影が、

私達の前で歩みを止めて声をかけた。

「あ!お兄ちゃんと魅香さん!!
劇凄く良かったですっ…て、ん?」

「あっ…華美ちゃん来てたんだ、
劇、観てくれてありがとうね…」

疲労困憊の私を見て首を傾げる。

理由を話すと天使のような笑顔で、

クスクスと笑った…あぁ、可愛い。

今日も和服がとってもお似合いだし。

「二人共…舞台上ではあんなに、
格好良かったのに子供みたい!!」

笑う度にシャラリと揺れる簪。

「華美ちゃん、文化祭楽しい?」

「はい!凄く楽しいです!!
来年もまた見に来たいです!」

華美ちゃんの温かい言葉に、

私と蛍は顔を揃えて笑った…。

頑張って良かったねって。

今回の文化祭の公演部門の優秀賞、

なんと私達のクラスが受賞した。

様々なハプニングに迅速な対応が、

出来たことも評価されたらしい。

『優秀賞を祝してかんぱーい!!』

打ち上げは大いに盛り上がった。

文化祭は…私達の劇は大成功。

最高の一日になった。

来年は姉様も呼ぼうかなぁ!!