あの日の学食はやけに混んでて。 その中で、たまたま見つけたあの子は、人込みに進めなくてアタフタしてた。 後ろから、周りを気する風もなく、騒いだ男子らが近づいているのも気付かずに。 危ねーだろが!!! 俺はとっさにぶつかりそうなのを避けようと、手を伸ばした。 ―――が、 遅かった。 ガシャン 見事に持っていたもの全てが床に散らばる。 「あちっ」 当然、手を伸ばした俺にもかかってしまった。 ぶつかったヤツ等は、関係ないとでも言う風に離れて行った。 あいつら… 覚えてろよ。