葵の唇に、立のやわらかい唇が押し付けられた。
角度を変えて、舌が入れられそうになる。
(いや!!)
葵は自分の持っている力全部を使って、思いっきり立を押しのけた。
と、同時に立の後ろに立つ人物に目を瞠る。
それは葵にとって最もこの場面を見られたくない人だった。
「柾さん……」
心臓が早鐘を打って、呼吸が苦しくなる。
「葵……と、立がなんで」
須和は急いで駆けつけてくれたのだろう、少々髪が乱れて前髪が下りていた。
二人の今の場面を目の当たりにし、呆然としている。
立も葵の声に、後ろを振り向く。
須和の存在を認識してもなお特に悪びれた様子は感じられず、口元に笑みを浮かべているのだ。
その楽し気な様子に、葵は本能的に怖いと感じる。
「……あぁ、ごめん。葵ちゃんと約束してたんだ。手術が終わったらキスしてくれるってさ。
大丈夫だよ、ただ柾の彼女がどんなもんか試したかっただけだから」
「私は約束なんて……」
(してないのに)
「……立、やっていいことと悪いことがあるんだよ」
「ごめんね、もう終わり。絶対手は出さないからさ」
立はポンポンッと須和の肩を叩き、部屋を出ようとするが……。
須和に腕を引かれ、鈍い音とともに思いっきり頬を殴りつけられた。
派手に転がっていく立に対し、須和は冷ややかな目で見下ろしている。
「……葵に次に触れたら、お前を消すぞ」
「!」
須和は言い放ち、はぁ……と大きなため息を漏らしたあと、ふいに葵に視線を向ける。
先ほどの冷ややかな目とは違い、苦し気に細まって揺れていた。
そんな須和の姿に葵も同じように胸が苦しくなる。
「柾さん、ごめんなさい……」
(これは私の責任もある......だって、立さんに宣言されてたんだから、
その時に相談しておけばこんなことにならなかった)
角度を変えて、舌が入れられそうになる。
(いや!!)
葵は自分の持っている力全部を使って、思いっきり立を押しのけた。
と、同時に立の後ろに立つ人物に目を瞠る。
それは葵にとって最もこの場面を見られたくない人だった。
「柾さん……」
心臓が早鐘を打って、呼吸が苦しくなる。
「葵……と、立がなんで」
須和は急いで駆けつけてくれたのだろう、少々髪が乱れて前髪が下りていた。
二人の今の場面を目の当たりにし、呆然としている。
立も葵の声に、後ろを振り向く。
須和の存在を認識してもなお特に悪びれた様子は感じられず、口元に笑みを浮かべているのだ。
その楽し気な様子に、葵は本能的に怖いと感じる。
「……あぁ、ごめん。葵ちゃんと約束してたんだ。手術が終わったらキスしてくれるってさ。
大丈夫だよ、ただ柾の彼女がどんなもんか試したかっただけだから」
「私は約束なんて……」
(してないのに)
「……立、やっていいことと悪いことがあるんだよ」
「ごめんね、もう終わり。絶対手は出さないからさ」
立はポンポンッと須和の肩を叩き、部屋を出ようとするが……。
須和に腕を引かれ、鈍い音とともに思いっきり頬を殴りつけられた。
派手に転がっていく立に対し、須和は冷ややかな目で見下ろしている。
「……葵に次に触れたら、お前を消すぞ」
「!」
須和は言い放ち、はぁ……と大きなため息を漏らしたあと、ふいに葵に視線を向ける。
先ほどの冷ややかな目とは違い、苦し気に細まって揺れていた。
そんな須和の姿に葵も同じように胸が苦しくなる。
「柾さん、ごめんなさい……」
(これは私の責任もある......だって、立さんに宣言されてたんだから、
その時に相談しておけばこんなことにならなかった)

