「縁あって、お見合いという形で私たちは進んできました。一緒に過ごすうちに、もっと一緒にいたいなとか、思うようになったんです」


 こういったことに全く慣れていない私が、なんとか気持ちを言葉にしようとして話すとニコッと微笑んで雅貴さんはいう。

 「うん、嬉しいなぁ。一緒にいたいと僕も思っているよ。この先もずっと。君のご両親のように、なるべく最後の時までね」


 仕事でも共同研究するほどに、公私にわたってパートナーであった私の両親。
 そんな風に最後まで共にありたいと言ってくれるのは、最大級のプロポーズだと思う。

 私も、きちんと言葉にして返事をすべく雅貴さんを見つめた。

 「雅貴さん……」

 話し出そうとした私に、雅貴さんは私の唇に指をあてて言葉を止める。

 「茉奈花、僕は君を愛しています。どうか、結婚してくれませんか?」

 シンプルで、分かりやすい間違うことのないプロポーズの言葉。

 「はい。私も雅貴さんが大好きです。愛しています。 よろしくお願いします」


 こうして、実の両親が結んだ縁で私は愛する人に巡り合うことが出来た。
 そして、両家に結婚すると報告すると大変な盛り上がりを見せた。


 夏にお見合いで出会って半年に満たないうちに、結婚となりました。
 お見合いの順序としては、間違ってないし順当に進んだと思うのだけれど。

 決まると、もう待てないと両家の親以上に雅貴さんが張り切って式場を予約してきてしまいました
 結婚式は、一月三日だそうな。
 仲の良い友人と、家族しか呼ばない式にするからと言って二か月半後に予約を取ってくるそのスピード感と行動力の速さには、驚かされてばかり。

 なんでそんなに急ぐの? とさすがに聞いた私に雅貴さんは言った。

 ちゃんとお式をするまでは手を出したくないけれど、一年なんてなんの拷問? そんなに待てないから式場の空いてる最短の日で予約したから。

 と言って、私を悶えさせたのは言うまでもない。