この声で、キミに「好き」と伝えたい。

豹くんに届きますようにと思って、歌い続けていたあたしの姿を知っていた。


もう…それだけで、あたしのこれまでの努力が報われたような気がした。


優勝以外の賞を獲ることは許されなくて。

ただ課題曲に専念する機械になって。

周りから嫉妬されようと、知らないフリをし続けてきた日々。


人よりも歌唱力で差をつけることで、自分を守ってきたけれど――。