この声で、キミに「好き」と伝えたい。

だから、そう呼ばれても仕方がないのだけれど、すべてを完璧にこなすには、それまで積み重ねてきた努力があってこそ。


――『天才歌姫』、『機械人形』。

どちらにしても、口々にそう呼ぶ人たちは、あたしの血を吐くような努力は知らない。


そして、その人たちは…『今のあたし』しか知らない。


だけど豹くんは、まだ歌が下手だったあたしの幼い頃を知っている、唯一の人物なのだ。