この声で、キミに「好き」と伝えたい。

美歌の活躍は、海を越えたオーストリアにまで届いていた。


あたしが歩むことがなかった道…。


…いや。

あたしじゃ、その道のスタート地点に立てても、辿ることはできなかっただろう。


美歌は今や、あたしのピーク時の歌声すらも勝る最高の歌手になっていた。



「…で、これからどうするの?」

「うん。こっちで就職先が見つかったから帰ってきたの。向こうではママの仕送りに頼ってたけど、これからは1人で大丈夫」