この声で、キミに「好き」と伝えたい。

恥をかかされたのは、ママも同じだ。


今回は、声が出なくて棄権したときとはわけが違う。

自ら失態を晒して、放棄したのだから。


今からステージに戻ったからって、やり直しがきかないのはママだってわかっているはず。


だけど、1人のプロの歌手として、そして雨宮千歌の母として、ママはそう言わなければならない立場なのだ。


ママの隣に目をやると、口をあんぐりと開けてあたしを見つめる衛斗の両親がいた。