この声で、キミに「好き」と伝えたい。

ホール内に響き渡るあたしを呼ぶ怒鳴り声。

よく響くその声は、一般人のものではない。


それもそのはず。

あたしを呼び止めたのは、プロのソプラノ歌手である雨宮和歌子であるから。


「ママ…」


観客席から立ち上がったママも衛斗と同様、今までに見せたことのないくらいに血相を変えて、あたしを睨みつけていた。


「千歌…。どこへ行くつもり?…いいからステージに戻りなさいっ!!!!」