この声で、キミに「好き」と伝えたい。

これから先も歌手として、今よりも明るい未来が待っているに違いない。


そう。

このムーサ声楽コンクールを優勝すれば。



…だけど。


あたしが衛斗と結婚する…?


…ふざけないでよ。


ムーサ声楽コンクールは、一度は白紙に戻ってしまった音大の推薦をまた掴むチャンスではあったけど……。


……もう…我慢できないっ。



このとき、あたしの中でなにかがプツンと音を立てて切れた。