この声で、キミに「好き」と伝えたい。

あと少しで、あたしの未来が決められてしまう。


あたしは重い足取りで、ステージ裏へ向かった。



『最後は、雨宮千歌さんです』


アナウンスされ、衛斗が差出した手の上に、そっと自分の手を添える。


あたしはゆっくりと歩き、ステージ中央に設置されたスタンドマイクの前に立つ。

そのあとに、静かに衛斗がピアノのイスに腰かける。


ステージに登場したあたしを見る審査員や観客たちは、みんな目を輝かせているように見えた。