この声で、キミに「好き」と伝えたい。

「いいから、千歌。帰ろう」


衛斗が一歩踏み出す。

するとあたしは、反射的に一歩後ずさりをした。


「衛斗…。あたしは…、あなたとはいっしょに帰りたくない」

「…なにを馬鹿げたことを。キミの帰る家は、今やデアンジェリス家しかない」


…そうだ。

実家に帰ったからって、またママに連れ戻されるだけだ。


しかし、あたしを背中に隠すように、衛斗の前に豹くんが立ち塞がった。