この声で、キミに「好き」と伝えたい。

時計に目を移すと、夜の10時を過ぎている。


しかし、あたしのレッスンはこれで終了ではない。


「千歌、さっきのはなんだい?まったくボクの伴奏にキミの声が乗ってなかったじゃないかっ」

「…ごめんなさい」


先生が帰ってからは、衛斗と2人だけでのレッスンだ。

これが、苦痛で仕方がない。


なぜなら、自分の思い通りにあたしが歌えなければ、衛斗はすぐに手を上げてくる。