この声で、キミに「好き」と伝えたい。

だからこそ衛斗は、これまで以上にキザな言葉が多くなっている。

伴奏者の衛斗は、すでに課題曲に浸っていて、感情移入ができていた。


「すばらしいわ!さすが衛斗くんね!」


それには、歌の先生も大絶賛。


衛斗は、歌の主人公にでもなったかのように、大恋愛の歌では全身で喜びを表現し、失恋の歌ではまるで別人かと思うほど、悲しく俯きながら涙を流す。


その衛斗の気持ちが、ピアノの音にも確かに表れている。