この声で、キミに「好き」と伝えたい。

もう、ママの母校である音楽大学へは行けない。

…そう思っていたけれど。


あたしに再びチャンスが訪れるのであった。



“それ”を知ったのは、満開だった桜が散り、緑の葉っぱが芽吹き始めた頃…。


「ムーサ声楽コンクール…?」

「そう。キミも、名前くらいは聞いたことはあるだろう?」

「ええ、もちろん。だって、今年が第1回目のコンクールでしょ?」