この声で、キミに「好き」と伝えたい。

そんな環境で育った衛斗には、このバレッタの大切さなんて…わかるはずもない。


「こんな時間にごめんね。…おやすみ」


ゴミ箱に捨てられたバレッタを見て、ついカッとなって衛斗の部屋にきてしまったけど…。

冷静になって考えれば、こういう結果になることは予想がついたはずだ。


衛斗に背中を向け、重い足取りでドアへ向かう。


「待ってよ、千歌」


すると、衛斗に呼び止められた。