この声で、キミに「好き」と伝えたい。

でも、それはこの狭い世界の出来事にすぎず、あたしを受け入れてくれる場所はちゃんとあった。


だから、家に帰りたいと思ったことはない。

それに、今のママは美歌に付きっきりだから、わざわざあたしに構う暇もない。


覇国のみんなに囲まれたホームでの日々が、これからも続くだろうと、なんの疑いもしなかった。


今日、ここでママに会うまでは……。



荷物を入れたバッグを肩にかけて家を出て、道路の角を曲がる。