この声で、キミに「好き」と伝えたい。

豹くんはなにも語らない。

だから、あたしも聞こうとはしない。


だけど、その傷だらけの手が、あたしのためになにがあったのかを物語っていた。


「もう大丈夫だから。千歌が恐れることはなにもない」


呪文のようにそう唱えながら、豹くんがあたしの頭を優しく撫でてくれる。


豹くんの声が子守唄みたいに聞こえて、あたしはその夜、豹くんの腕の中で眠りについたのだった。