この声で、キミに「好き」と伝えたい。

この1ヶ月で、あたしの心の傷は徐々に癒えつつある。


だけど、あたしを攫ったあの男にたちは、今もこの街のどこかで、何食わぬ顔でいつもの生活を送っていることだろう。

あの日は、ハロウィンの仮装でオバケのマクスを被っていたから、顔はわからないまま。


アヤミちゃんに聞いても、SNSでやり取りしていただけで顔も名前もわからないし、あのときが初めて会ったのだという。