この声で、キミに「好き」と伝えたい。

ここには、さっきまでの賑やかなハロウィンムードの声なんてなく、屋根から落ちてくる昨日の雨水の音のみで、閑散としていた。

ぼんやりと見えるのは、人の腰ほどの丈があるであろうドラム缶や、ボロボロの段ボールが散乱している。


人の手が離れて、何年も経っているという寂れた印象が伺える。


…どうしてこんなところに。


一番にそれを考えた。


あたしは、ハロウィンの仮装で街へ出て…。