この声で、キミに「好き」と伝えたい。

「…こいつだっ!」


急に、黒ずくめの1人に後ろから腕を固められた。


「早く行くぞ!!」


あたしは抵抗する暇もないまま、あっという間に男たちに引きずられていく。


叫ぶ声が出たらいいものの、「助けて!」と虚しく口を動かすだけ。

あたしの声にならない叫びには、だれも気づかない。


1人があたしを引きずり、あとの2人が壁になるようにあたしを周りから隠している。