この声で、キミに「好き」と伝えたい。

歌えないあたしは何者でもない。


ママはあたしを見限ったのだった。


…学校だってそう。

声が出ないあたしに教えることはない。


先生も、今までベタベタしてきたクラスメイトだって、あたしのことなんて知らんぷり。


よかったことと言えば、こんなあたしを妬む意味がなくなったからか、嫌がらせがなくなった。


家でも、学校でも、……あたしの居場所なんてなかった。