この声で、キミに「好き」と伝えたい。

だけどそれらは、知らないうちに着実にストレスとなって溜まっていたのだった。


そしてとどめは、実の妹から向けられた敵意を知ったとき…。


満杯に入った水が器から溢れ出すように、あたしの中でなにかが溢れた。

その瞬間が、あのコンクールでの本番だったのだ。


あたしは歌うことはおろか、話すことすらできない。

声がまったく出ないのだ。


いつ声が戻るかは……わからないと言われた。