この声で、キミに「好き」と伝えたい。

場内に響くのは、虚しく流れ続ける課題曲。

あたしの歌声は、そこに乗せられてはいない。


なぜならあたしは、歌い出しの口を開けたまま、ただステージ上に突っ立っているだけ。

時が止まったかのように、体が硬直して動かない。


だけど、溢れる涙が頬を伝う。


自分でも、なにが起こっているのか…わからない。


あたしの歌…。

あたしの声が……。


……出てこない。