この声で、キミに「好き」と伝えたい。

「…ごめんなさい。でも、ここが家までの近道だから…」

「普段は、大通りを通って帰ってるんだろ?」

「うん。今日は夏期講習が長引いて、ママの家でのレッスンに遅れそうになったから、つい…」


あたしがしくじったというように口を尖らせると、なぜだか豹くんは目を見開いていた。


「レッスン…!?じゃあ、急がないと…!」

「もういいよっ。今から帰ってもどうせ遅刻だし、いっしょだよ」